仕事で嫌なことがあった日の気持ちの切り替え方──嫌なことを忘れる方法5選

仕事の帰り道。
上司の言葉や、あの失敗の場面が頭の中で何度も再生される。
「もう忘れたい」「考えても仕方ない」と思っても、心はなかなか言うことを聞いてくれない。

そんな夜は、誰にでもあります。
でも大丈夫。
嫌な気持ちを無理に消そうとしなくても、心は少しずつ立て直すことができるのです。

脳には、感情を整理し、前に進もうとする自然な回復力があります。
その力を上手に引き出せば、今日のつらさも、明日へのエネルギーに変えていける。

今回は、心理カウンセリングと脳科学の視点から、
「嫌なことを忘れて、気持ちを切り替える5つの方法」を紹介します。
どうか、心の重さを少しでも軽くするヒントになりますように。


目次

第1章 感情の波に気づく──無理に忘れようとしない

朝のミーティングで、あなたの提案を上司がみんなの前で否定した。
「何回説明してもわかってないな」と言われ、恥ずかしさと悔しさが胸を締めつける。
帰り道になっても、その言葉が何度も頭の中をぐるぐる…。

そんなとき、多くの人は「早く忘れたい」「切り替えなきゃ」と思いがちです。
でも実は、無理に抑え込もうとすると、かえって長引くのです。

まずは「今、悔しい」「腹が立っている」「認められなくて悲しい」と、
自分の感情をそのまま言葉にしてみましょう。
これは感情のラベリングと呼ばれる方法で、扁桃体の興奮を静める効果があります。

もう一つおすすめは、「感じたことを3行だけ書いて削除する」こと。
脳は“書いた=外に出した”と認識し、反芻(はんすう)思考が減少します。

💬自分にかけたい言葉
・あの状況で最後まで説明した自分、よく頑張った。
・怒りを感じられている。それは自分を大切にしている証拠だ。


第2章 体を動かす──脳のスイッチを変える

取引先との打ち合わせがうまくいかず、帰社後に上司から「また同じミスか」と言われた。
胸の奥が重たくなり、電車に揺られながら何度もため息が出る──。

そんな時は、考えるのを一旦やめて体を動かすのがおすすめです。
帰り道、スマホを見ずに3分だけ速足で歩いてみましょう。
歩くリズム運動は、セロトニンを分泌させ、自律神経を整えます。

歩きながら「足が地面につく感覚」や「呼吸のリズム」に意識を向けるのも効果的です。
これはマインドフルネスの基本で、“今ここ”に意識を戻す力を育てます。

💬自分にかけたい言葉
・今日はうまくいかなかったけど、次につながる日だった。
・歩けているだけでOK。自分はちゃんと前に進んでる。


第3章 思考の視点を変える──“なぜ”より“どうする”へ

会議で、同僚があなたの提案を自分のもののように話し、上司からその同僚だけが褒められた。
「なんであの人ばかり評価されるんだ」と考えるほど、心がざわつく。

このような時は、“なぜ”を掘り下げるほどモヤモヤが深まります。
代わりに、「じゃあ次はどうしよう?」と思考を未来に向けて切り替えるのがポイントです。

例えば「次回は自分からメールで報告しよう」でもいい。
“行動できる部分”に目を向けることで、前頭前野が働き、冷静さが戻ってきます。

もう一つの考え方は、「悔しい=成長しているサイン」と受け止めること。
人は自分が本気で関わったことにしか、強い感情を抱きません。
その感情は、前進している証拠です。

💬自分にかけたい言葉
・言い返せなかったけど、冷静さを保てた自分はえらい。
・次にどう動くかを考えられている。それが進歩だ。


第4章 小さな感謝を探す──心のリセットボタン

一日中忙しく働いたのに、誰も「ありがとう」と言ってくれなかった。
「自分の努力なんて誰も見てない」と、むなしさが押し寄せてくる。

そんな夜は、小さな感謝を探す習慣を取り入れてみましょう。
「後輩が手伝ってくれた」「カフェで飲んだコーヒーが美味しかった」「夕焼けがきれいだった」
──どんな小さなことでも構いません。

脳は感謝を感じた瞬間、オキシトシンやセロトニンを分泌し、ストレスをやわらげます。

もうひとつおすすめは、“自分への感謝”です。
「今日も働いた自分、ありがとう」「ミスしても逃げずに最後まで頑張ったね」
と声に出すだけで、心が少し温かくなります。

💬自分にかけたい言葉
・報われなくても、自分はちゃんと努力してる。
・あの忙しさを乗り切った。今日はよく頑張ったね。


第5章 明日の自分にエールを送る──自己対話で締めくくる

上司から冷たくされ、「自分なんて…」と落ち込む夜。
家に帰っても気持ちが晴れず、布団に入っても頭の中で言葉がぐるぐる回る。

そんな時こそ、自分に優しく声をかける時間を持ちましょう。

「今日はよく頑張った」「あの空気の中で仕事をやり切っただけで十分」
と声に出すと、脳はそれを“他人からの励まし”として受け取ります。
ストレスホルモンが下がり、眠りも深くなります。

もう一歩進めて、“明日の自分”にも声をかけてみましょう。
「明日は少し笑顔で挨拶してみよう」「今日は休んで、明日またやり直せばいい」
未来形の言葉は、神経可塑性(脳の再学習力)を刺激し、回復力を高めてくれます。

💬自分にかけたい言葉
・上司に冷たくされても、自分の誠実さは変わらない。
・つらい日もあった。でも今日をちゃんと終えられた。それだけで十分。


おわりに

嫌な出来事を完全に忘れることは難しいかもしれません。
でも、「どう受け止め、どう自分をいたわるか」を知っていれば、心は何度でも立ち直ることができます。

気持ちを切り替える力は、生まれつきではなく育てられる力です。
今日あった出来事を無理に消そうとせず、少しずつ整えていく。
その積み重ねが、明日を生きるあなたの支えになります。

🌿 嫌な一日を過ごしたあなたへ。
「今日もよく頑張ったね」
その一言を、自分自身にプレゼントしてください。

もし、嫌なことが頭から離れず、不安と心配や恐怖の感情から逃れるのが難しい時は、カウンセリングの活用も考えてみてください。

初めてカウンセリングを受ける時、多くの方が不安をお感じになります。
カウンセリングを受けてみたいけど受ける前にどんなものか知りたいとか、一度体験してから申込みを考えたいと思っている方は、是非この機会を活用してみてください。
なお、こちらからお申込みをお願いするなどの営業行為をすることはございませんので、安心してご活用ください。

苦しい気持ちをありのまま受け止め、あなたの味方となり一緒に考えます。
お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

職場や生活で強い不安やストレスを抱えてお悩みのあなたを、企業経験30年(人事労務を担当した15年ではメンタル不調者への産業医と連携した対応経験が豊富)、メンタルクリニックでの患者さんへのカウンセリングによる支援、社外メンターとしての成長支援、SNS相談員として命と心、LGBTQなどの相談対応などの経験をベースにサポートいたします。

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