心理療法・・・
世の中にはいろんな心理療法があり、いくつあるかは諸説あり、数百とも数千とも言われています。
占いも宗教も、不安や心配を克服する助けとなる点においては、心理療法かもしれません・・・
さて、メンタルプログレスのカウンセリングは、クライエントの心を理解し寄り添うことからスタートします。
辛い気持ちを共有しながらラポール(信頼)の形成を進めていき、認知行動療法における認知再構成法をベースに、心理学や脳神経科学の知見でその効果を説明しながら進め、問題解決へと進みます。
この記事における認知行動療法は主に認知再構成法についての解説となります。
動物は、本能を持って生まれてきます。
よりよく生きることが本能の根底にあり、それを実現するための仕組(学習能力や環境に適応する能力)を持ち、その仕組みを駆使して、より良く生きることを求めて生活し、より良く生きる術を磨きながら世代を重ね進化して来ました。
ものすごく単純化してしまえば、我々を含め動物は、身体の感覚系(目、耳、鼻、舌、皮膚など)から入手した情報に反射して行動しているのですが、より良く生きる=生存確率を上げる、仕組みが記憶と認知と感情です。
つまり、今起きていることやこれから起きるだろうことを過去の記憶に照らして
✅それが良いという「認知」なら、楽しいとか嬉しいといった「快い」感情
✅それが悪いという「認知」なら、恐怖や不安や心配、怒りといった「不快」な感情
を作り出します。
そして、その感情の大きさが次の行動を後押しするモティベーションとなって、生存確率を上げる行動を促すわけです。
例えば・・・
もし目の前の状況が、過去に嫌な思いをした状況と類似している場合は「慌てると失敗するぞ!」という認知が不安を感じさせ、慎重な行動を取ろうとするでしょう。
また、目の前の状況が、過去に死の危険を感じた状況と類似しているなら「早く逃げないとやばいぞ!」という認知が恐怖を感じさせるので、一目散に逃げることになるのではないでしょうか。
多くのメンタル不調は、過去の生死に関わるような危険な体験や、人前で恥をかくといった体験の記憶に紐づく「不快」な感情をコントロールできず、不必要に不安を感じたり、不安が慢性化してしまったりする状態が原因だと言っても良いでしょう。
認知行動療法はこの「不快」な感情を生み出す「認知」の歪みや偏りを修正することにより、メンタル不調を改善させるものだとご理解いただければと思います。
その認知行動療法をもう少し理屈っぽく説明すると・・・
感情は出来事に対する認知のあり方(物事に対する受け止め方や理解の仕方)が作るというABC理論(byアメリカの心理学者アルバート・エリス)に基づいて、
① 出来事に対して不要にネガティブになりがちな認知や思考のあり方を修正し
② 不要な不安感情を排除し
③ ポジティブな行動変容を促す
ことによるメンタル不調を改善することを目的とした心理療法です
この認知行動療法特に認知再構成法は、エビデンスのある心理療法としてその効果が認められていますが、なぜ効果が期待できるのかをもう少し具体的に説明すると・・・
例えば、人前に出ることが苦手な人が飲み会に誘われると・・・
過去の飲み会が緊張して楽しめなかった記憶が蘇れば「飲み会は緊張する」という認知から「飲み会で上手く話せなかったらどうしよう」という思考が始まり、心配や不安といった感情が生まれ、誘われたことを憂鬱に感じて断るかどうか迷ってしまいます。
しかし、最近の飲み会では最初は緊張していたのに、だんだんと話が弾んで楽しかった経験をしていたならば「飲み会は楽しいんだ!」という認知から「また飲んでみんなと話すことを楽しめたらな!」という思考が生まれ、誘われたことを嬉しく感じて飲み会に出席の返事をするのではないでしょうか!
認知行動療法では、この例のように認知や思考が変わると感情が変わり、さらにその感情が後押しする行動が変わる認知と感情の関係に着目して、上述した「飲み会は緊張する」という認知をを恣意的に「飲み会は楽しいんだ!」という認知に再構成することにより、ポジティブな感情と行動の変容を目指すことになります。
カウンセリングでは、この認知の再構成をどのように進めたら良いかを、クライエントのこれまでの生育歴や家族歴、そして社会経験などのお話を丁寧にお聴きして、アセスメントして方針を立てながら進めていきます。
このように、認知行動療法は、脳の「より良く生きる仕組み」に従って認知や思考をポジティブに変容させることにより不必要で不快な感情を排除するので、さまざまな精神疾患の治療にも取り入れられており、患者を回復させたエビデンスのある心理療法として効果が期待できるのです。
苦しい気持ちをありのまま受け止め、あなたの味方となり一緒に考えます。
お気軽にご相談ください。
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