不安発生のメカニズムとその対処方法

不安や心配を抱えている時って、とても嫌なものですよね。生きるのが辛くなったり、前向きに物事を考えられなくなったり、自分が嫌になったり、良いことありませんよね。
試験前の不安なら勉強をしっかりすることで、初めてのデート前の不安はデートする場所を下見したり、話題を考えたりすることである程度は緩和できますが、完全に不安を解消することは難しいですね。
私もそうですが、多くの場合は「やるだけやったから、あとは運を天に任せよう」と自分を納得させたり、「もう考えてもしょうがないから一杯飲んで寝よう」「友達に話して不安を発散しよう」など不安を忘れようと努力するのではないでしょうか?
大概の不安は日常生活の一環として特別に深刻になることもなくこのような対処をしてやり過ごしているのではないでしょうか。
しかし、今までに経験したことのないような出来事や、人生に関わるような問題を抱えた時はそうはいきません。不安は考えれば考えるほど大きくなって、眠れなくなったり、食欲がなくなったり、冷静に考えることが出来なくなったりして、生活に支障を来たし、相当生き苦しくなりますよね。
では、そんな不安な気持ちにどう対処すれば良いのか、不安の発生メカニズムをベースに合理的に考えてみたいと思います。

目次

闘争・逃走反応

不安を引き起こす事象が発生すると、脳内ではどのようなことが起こるのでしょうか?まずその刺激が五感を通して大脳皮質に到達すると、これまでの経験や記憶に基づき評価され、感情の中枢である大脳辺縁系に伝達されます。
すると、そこに属する扁桃体から「逃げろ!」もしくは「戦え!」という指令が出されます。
これは「闘争・逃走反応」と言われるもので、これが不安な気持ちの正体です。
この反応は、動物が遥か昔に、防衛本能として獲得したものと考えられています。
例えば人間の場合であれば、遥か昔には、武器となる牙や爪、強靭な筋肉を持たない生身の人間は、サーベルタイガーなどの猛獣に出会った時には、死に物狂いで逃げるか戦うかしか選択肢はありませんでした。
そんな時に不安はとても有効な自己防衛機能として機能したのでしょう。
しかし、獣と戦ったり逃げたりすることが一般生活ではまずない現代では、その反応の不快さは無用の長物と言いたいところです。

不安発生のメカニズム

さて、「闘争・逃走反応」が起きると扁桃体はノルアドレナリン、コルチゾールというストレスホルモンの分泌を指示します。
ノルアドレナリンは、血圧や心拍数を上げ血液凝固の促進、中枢神経覚醒作用を促します。
一方コルチゾールは、肝臓で糖を作り、筋肉で新陳代謝、脂肪組織での脂肪分解などの代謝の促進、抗炎症、免疫抑制などの機能があります。
これらストレスホルモンが分泌されると身体症状として
・心臓がドキドキする
・手に汗をかく
・胃がきゅうとする嫌な感覚を覚えたりお腹が痛くなる
・体が震える
・頭の中が真っ白になりパニックになる
などの嫌な身体症状現れます。
そして厄介なことに、不安が解消されないとこれらストレスホルモンは分泌され続け、不安が不安を呼ぶ、不安増大のスパイラルに突入してしまうのです。
現代人にとっての不安は、人間関係や仕事からくるストレスが原因となることが殆どで、それが大きければ大きいほど、逃げたり戦ったりといった体を動かすことはせず、自分一人で抱え込み、悩み続けてしまい、考えれば考えるほど、不安がさらなる不安を呼び不安が増大してしまうことになりがちです。

不安への対処

不安の元が扁桃体が作り出す「闘争・逃走反応」であれば、闘うか逃げるかすることで扁桃体の興奮を沈め、ストレスホルモンの濃度を下げることで不安は解消されるはずです。
つまり、闘う、逃げるに相当する運動をすれば不安は解消されるということです。

ストレスホルモンは有酸素運動により消費されるので、特にリズミカルな運動、例えば歩行運動、食事の際の咀嚼、意識的な呼吸が効果的です。
そして、これらのリズミカルな運動は、ストレスホルモンの消費に加え、幸せホルモンとして有名な「セロトニン」の分泌を促します。

セロトニンは脳内で働く神経伝達物質のひとつで、感情や気分のコントロール、精神の安定に深く関わるものです。
また、睡眠ホルモンであるメラトニンの原料です。不安対策だけでなく良質な睡眠を得るためにも大切な物質です。
セロトニンは太陽の光を浴びることで分泌されますので、不安を感じたら、どうしようかと考えて不安を増幅させる前に、昼間であれば太陽の光を浴びる、昼間でなくてもズミカルな運動を10分でも20分でも行ってみてください。
不安が小さくなり、今すべきことに集中できるはずです。
また、そんな時間に余裕がない時は、今すべきことや具体的な行動に思考を集中し、実行することを心がけてください。
その時に、「闘争・逃走反応」とは、より良く生きたいと言う本能を満足させるための反応だと強く意識することが大切です。

苦しい気持ちをありのまま受け止め、あなたの味方となり一緒に考えます。
お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

職場や生活で強い不安やストレスを抱えてお悩みのあなたを、企業経験30年(人事労務を担当した15年ではメンタル不調者への産業医と連携した対応経験が豊富)、メンタルクリニックでの患者さんへのカウンセリングによる支援、社外メンターとしての成長支援、SNS相談員として命と心、LGBTQなどの相談対応などの経験をベースにサポートいたします。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • […] 「闘争・逃走反応」は自己防衛にはなくてはならない反応だとは思いますが、多くの学者さん達も指摘されている通り、現代人にとっては、ありがたいというより、邪魔で不要に感じるものではないでしょうか?危険や不安といったストレスを感じたからと言って、人を蹴ったり殴ったり、一目さんに逃げるなどの行為は、即、警察に捕まるか信用を無くすことになりかねません。命の危険への対処以外では、「闘争・闘争反応は出て欲しくないもので、ストレス反応の「ミスマッチ理論」と呼ばれているそうです。さて、その「闘争・逃走反応」への対処法については、不安発生のメカニズムと対処方法にて解説させていただきました。ご興味のある方は是非お読み頂ければと思います。 […]

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