スタンフォード大学のケリー・マクゴニル著「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」より
「闘争・逃走反応」は、ハーバード大学医学部の生理学者、ウォルター・B・キャノンにより1915年に初めて報告されました。
彼は恐怖や怒りといったストレスが動物の生理機能にどのような影響をもたらすかに興味を持ち、なんと猫の口や鼻を手で押さえ呼吸窮迫を起こさせたり、複数の猫や犬を同じ部屋に閉じ込めて喧嘩をさせるといった方法でその影響を調べたそうです。
この実験により、動物は身の危険を感じると、体内ではアドレナリンが分泌されることにより交感神経が活性化され、心拍数が上昇し呼吸が早くなり、筋肉が緊張し瞬時に行動を起こせるようになりました。
一方では、消化機能など緊急時に必要とされない身体機能は低下するか一旦停止することにより、エネルギー貯蔵量を増やし、免疫系を活発化させることで体が「闘争・逃走」体制を整えることが観察されたのです。
そして、この「闘争・逃走反応」は猫や犬のみならず、人間を含む全ての脈拍のある動物に備わっていることが確認されたのだそうです。
「闘争・逃走反応」は自己防衛にはなくてはならない反応だとは思いますが、多くの学者さん達も指摘されている通り、現代人にとっては、ありがたいというより、邪魔で不要に感じるものではないでしょうか?
危険や不安といったストレスを感じたからと言って、人を蹴ったり殴ったり、一目さんに逃げるなどの行為は、即、警察に捕まるか信用を無くすことになりかねません。
命の危険への対処以外では、「闘争・闘争反応は出て欲しくないもので、ストレス反応の「ミスマッチ理論」と呼ばれているそうです。
さて、その「闘争・逃走反応」への対処法については、不安発生のメカニズムと対処方法にて解説させていただきました。ご興味のある方は是非お読み頂ければと思います。
苦しい気持ちをありのまま受け止め、あなたの味方となり一緒に考えます。
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