心理療法と理論

◯来談者中心療法

1940年代に米国の臨床心理学者カール・ロジャースが創始した心理療法で、カウンセリングにおいて最もポピュラーな療法と言われています。
カウンセラーがクライエントの話を傾聴を通して受容・共感しながら、一方のクライエントは自身の状況や、気持ちを自己開示することによって、自己探求を深め自分の心の強さを取り戻していくことを促す療法です。
カウンセラーはクライエントのあるがままを受け止め、クライエントの内的準拠枠(物事に対するその人の見方、考え方、感じ方)に従って、クライエントの世界観をありのままに感じながら理解します。
そして、クライエントの語った内容を要約する、繰り返すことによって、クライエントの理解をさらに深めるよう働きかけ、クライエントがさらに深い自己探求をすることができるよう必要に応じて質問をしながら進めます。
このプロセスにおいて、クライエントとカウンセラーの間には信頼関係(カウンセリングではこの信頼関係をラポールと呼びます)が構築されます。
クライエントはこのラポールのもとで、一人で抱えてきた苦しい気持ちや、自分を醜いとか恥ずかしいと思ってしまう自分をカウンセラーに受止めてもらうことにより、安心感とともに自分は大丈夫だという自信が芽生え、問題に立ち向かっていけるようになるのです。

対人関係療法(IPT/Interpersonal Psychotherapy)

1960年代からアメリカで開発が始まった心理療法で、「人がうつ病になる直前に何が起こっていたのか」を調査した結果から生まれたものです。認知行動療法と並んで有効性を証明するデータが最も多い心理療法と言われています。
フロイトの精神分析、ロジャーズの来談者中心療法が、過去の人間関係や生育歴に焦点を当ててクライエントを見立てるのに対して、対人関係療法(IPT)は現在の人間関係、特に重要な他者との人間関係に重点を置いて行われるものです。
対人関係から起こる精神的な症状や問題について、対人関係療法(IPT)で特徴的な4つの問題領域のどの領域から起きているかを見立て、コミュニケーション分析を行い問題解決の支援を行います。
<四つの問題領域>
1)悲哀・・・重要な人の喪失や死別など
2)対人関係上の役割をめぐる不和・・・身近な人間関係でお互いに期待する役割の不一致
3)役割の変化:身近な人間関係でお互いに期待する役割の変化
4)対人関係の欠如:身近に親しい人がいないなどの孤独や孤立
参考:対人関係療法(IPT)の関連記事

◯ABC理論

認知行動療法のもとになった理論です。感情と認知の仕組みを理解することで、ネガティブになりやすいクライエントの思考の癖を認識し改善する根拠として使います。
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